光回線なのに100Mbpsで頭打ち — VDSLかどうかを見分ける方法
「1Gbpsの光回線を契約しているのに、何度測っても90Mbps前後で止まる」。マンションでこの症状が出たとき、最も疑うべきは建物の配線方式(VDSL)です。ルーターを買い替えても解決しないケースなので、先に見分けてください。
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なぜ「94Mbpsの壁」ができるのか
100Mbpsでリンクする規格(100BASE-TX)は、理論値こそ100Mbpsですが、TCPのヘッダやプロトコル上のオーバーヘッドを差し引くと実効の上限はおよそ94Mbpsになります。速度テストの結果が90Mbps前後できれいに止まるのは偶然ではなく、この物理的な上限に当たっているサインです。
ポイントは下り・上りの両方が同じ天井に張り付くことです。混雑や電波の問題であれば数字はもっとばらつきます。両方向とも85〜96Mbpsに収まり、かつ一度も97Mbpsを超えないなら、経路のどこかが100Mbpsでリンクしていると考えてほぼ間違いありません。
切り分けの分岐点
100Mbpsの天井に当たっていることが分かったら、次の問いは「建物の設備が原因か、宅内の機器が原因か」です。前者なら機器を買い替えても改善しません。後者なら数千円で解決することもあります。この2つを取り違えないことが、このページの目的です。
マンションの3つの配線方式
マンションで光回線を契約した場合、共用部から各戸までの配線方式は主に3種類あります。契約している「光回線」が速いかどうかは、この最後の区間で決まります。
| 方式 | 各戸までの配線 | 速度の傾向 | 宅内に置かれる機器 |
|---|---|---|---|
| 光配線方式 | 各戸まで光ファイバー | 契約プランの速度が出やすい(1Gbps級も可) | 光コンセント(光ローゼット)+ ONU |
| VDSL方式 | 共用部まで光・各戸へは電話線(メタル線) | 100Mbps級で頭打ち。上限はプランと配線長・線の状態に依存 | 電話用モジュラージャック + VDSL宅内装置(モデム) |
| LAN配線方式 | 共用部から各戸へLANケーブル | 設備が100BASE-TXなら100Mbps級で頭打ち | 壁のLANポート(ONU・モデムなし) |
いわゆる「マンションで光が遅い」の典型がVDSL方式です。建物に光は来ているものの、各戸までの最後の区間が既設の電話線であるため、そこが速度の上限を決めてしまいます。これは建物の設備なので、入居者がルーターやLANケーブルを買い替えても上限は変わりません。
見分け方①:宅内機器を見る(最も確実)
特別な道具は不要です。ルーターの手前にある機器と、そこに刺さっているケーブルの種類を確認してください。
- 電話線(モジュラーケーブル)が箱に刺さっている → VDSL方式。細く平たい、電話機と同じ形の端子(RJ-11)です。箱は「VDSL宅内装置」「VDSLモデム」などと呼ばれます
- 細い光ファイバーが壁の光コンセントから伸びてONUに繋がっている → 光配線方式。ケーブルは折り曲げに弱く、端子は角ばった形状(SC型など)です
- 壁のLANポートから普通のLANケーブルで直接ルーターへ → LAN配線方式。ONUもモデムも存在しません
集合住宅では複数の機器が同じ場所にまとめられていることが多いので、ルーターから壁までを1本ずつ順にたどるのが確実です。
見分け方②:契約書類・事業者のマイページで確認する
契約時の書類や、回線事業者・プロバイダの会員ページには提供方式が記載されています。プラン名に「マンションタイプ」とあっても、それだけでは配線方式は分かりません。「光配線方式」「VDSL方式」「LAN配線方式」のどれかという表記を探してください。見つからない場合はサポート窓口で「当該住所の提供方式」を問い合わせるのが最短です。
プランごとの上限速度はここで断定しません
VDSL方式の上限速度(特に上り)は契約プランによって異なり、同じ「VDSL」でも数値が変わります。本ページでは「100Mbps級で頭打ちになる」という傾向までを扱い、具体的な数値はご自身の契約書類・回線事業者の提供条件で確認してください。実測が上り側だけ極端に低い場合は、プラン上の上り上限である可能性があります。
見分け方③:測定値から推定する
NeckCheckは、この判別を自動で行います。下り・上りの中央値と全サンプルの最大値から「100Mbpsリンクの天井(SIG-LINK100)」を検出し、事前質問で答えた住居・配線方式と突き合わせて結論を出します。
- 天井を検出 + VDSLと申告 → 建物設備が原因(H2)と判定。機器の買い替えは提案しません
- 天井を検出 + 光配線・1Gbps契約と申告 → 経路上に100Mbpsの機器がある可能性が高いため、LANケーブル交換・別ポートでの再測定へ誘導します
- 天井を検出せず → 100Mbpsリンク以外の原因(ルーター・Wi-Fi・混雑など)を順に絞り込みます
NeckCheckは1回の測定では「確定」と表示しません。判別テストで同じ結果が2回再現した場合にのみ確定扱いとします(VDSLのように物理的に反証できない条件は例外です)。詳しくは診断ロジックの誠実性ポリシーをご覧ください。
VDSLだった場合にできること
1. 建物側の光配線方式への切り替えを相談する
上限そのものを上げるには、建物の配線を光配線方式に変更する必要があります。これは個人では完結せず、管理組合・建物所有者と回線事業者の合意が必要です。まず管理会社に「棟内配線の光化予定があるか」を確認してください。
2. 上限を使い切れているかを確認する
意外と多いのが、VDSLの上限にすら届いていないケースです。たとえば実測が30Mbps前後しか出ていないなら、原因はVDSLではなく宅内側(Wi-Fiの電波・ルーターの性能・LANケーブル)にあります。この場合は宅内の改善で体感が大きく変わります。有線で測ったときと Wi-Fi で測ったときの差を見るのが判別の第一歩です。
3. 帯域より遅延を疑う
ビデオ会議やオンラインゲームの「途切れ」は、帯域よりも負荷時の遅延(バッファブロート)が原因のことが多く、これはVDSLでもルーター側の改善で軽減できる場合があります。詳しくはバッファブロートの解説をご覧ください。
下記は「VDSLの上限を使い切れていない=宅内側にも別の原因がある」と分かった場合に検討する機器です。VDSLの上限そのものは機器では変わりません。診断で原因を特定してから選んでください。
※ Amazonアソシエイト参加者として収益を得ています。診断ロジックは独立しており広告主の影響を受けません。
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最終更新: 2026年7月25日
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