上り(アップロード)だけ遅い時に疑うところ
「下りは 900Mbps 出ているのに、上りは 5Mbps」。動画を見るぶんには気づきませんが、ビデオ会議で自分の映像だけ乱れる・写真のアップロードが終わらない、という形で表面化します。光回線は上下対称が基本なので、上りだけ落ちている状況は原因の候補をかなり絞れます。
上りと下りを別々に計測し、非対称を検出します
下りが十分なのに上りだけが極端に低い場合、その事実自体をシグネチャとして検出し、上り方向の経路を疑う根拠として扱います。
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まず確認:その回線は上下対称の方式か
| 回線の方式 | 上下の関係 | 上りが低いことの意味 |
|---|---|---|
| 光回線(FTTH・光配線方式) | 上下対称が基本 | 極端な差があれば異常を疑う |
| マンションの VDSL 方式 | 上下とも100Mbps上限、上りはさらに低いことがある | 建物設備の仕様の範囲内であることが多い |
| CATV(ケーブルテレビ) | 下り優先の非対称が正常 | 方式どおり。異常ではない |
| モバイル回線・ホームルーター | 非対称かつ変動が大きい | 電波状況に左右される |
まずここを確認してください。CATV で上りが下りの10分の1でも、それは設計どおりです。光配線方式なのに極端な差がある場合だけ、以下の切り分けに進む価値があります。
上りだけ遅くなる原因の候補
1. LAN ケーブルの一部線対の不良
LAN ケーブルは複数の線対で構成されています。そのうち一部だけが断線・接触不良を起こすと、通信が成立したまま速度だけ落ちたり、片方向だけが極端に遅くなったりします。次のようなケーブルは疑う価値があります。
- コネクタの爪が折れていて、差し込みが緩い
- ドアや家具に挟まれている・踏まれている
- きつく折り曲げて固定している
- 何年も差しっぱなしで、抜き差しを繰り返した
別のケーブルに交換して測り直すのが最短の確認方法です。ケーブルは安価なので、切り分けの手段としても費用対効果が高い部分です。
2. ルーターやハブのポート不良
同じルーターでも、ポートごとに状態が違うことがあります。ケーブルを替えても改善しない場合、別のポートに挿して測り直してください。ポートを変えて直るなら、原因はケーブルではなくポート側です。
3. Wi-Fi の上り
Wi-Fi では、端末からアクセスポイントへの送信(=上り)のほうが条件が厳しくなりがちです。端末の送信出力はアクセスポイントより小さく、距離や障害物の影響を受けやすいためです。Wi-Fi で測っているなら、有線で測り直すまで上りの数字を回線のせいにできません。
4. 端末側(セキュリティソフト・VPN・古い LAN アダプタ)
送信データを検査するセキュリティ機能が有効だと、端末の処理が上りの上限になることがあります。VPN を経由している場合は、測っているのは VPN の速度です。また USB 接続の LAN アダプタが古い規格(USB 2.0 世代など)だと、そこが上限になります。
別の端末で測って症状が出ないなら、原因は端末側と切り分けられます。
切り分けの手順(変える条件は一度に1つ)
- 有線で測る … Wi-Fi なら LAN ケーブルで直結して測定。上りが改善するなら原因は Wi-Fi 側
- ケーブルを替えて測る … 別のケーブルに交換。改善すればケーブルの不良で確定に近い
- ポートを替えて測る … ルーターの別ポートへ。改善すればポート側
- 別の端末で測る … スマートフォンなど。そちらで正常なら原因は最初の端末側
- 時間帯を変えて測る … 夜だけ落ちるなら、宅内ではなく回線側の混雑を疑う
ここで重要なのは一度に1つしか変えないことです。ケーブルとポートを同時に変えて改善しても、どちらが効いたのか分からず、次に同じ症状が出た時にまた一から探すことになります。
上りが遅いのか、そもそも足りているのか
上りの必要量は用途によります。Zoom はグループビデオ 1080p で上り 3.8Mbps を公表しています(Zoom サポート「帯域幅要件」・2026年8月30日確認)。つまり上り 20Mbps 出ていれば会議は問題ありません。下りとの比較で「遅い」と感じても、用途に足りていれば対処は不要です。用途別の必要量は用途別の速度の目安にまとめています。
手順2・3の切り分けに使うものです。まず有線で測って上りが改善するかを確認してから検討してください。
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上りだけが落ちているかを、根拠つきで判定します
有線接続で下りが十分に出ているのに上りだけが極端に低い場合、それを独立したシグネチャとして検出し、上り方向の経路(ケーブル・ポート・機器)を容疑者として提示します。
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条件を1つずつ変えて比較するための測定の作法。
最終更新: 2026年8月30日
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